【著作権】ダウンロード・配信音楽が結婚式で使えない件について

※注意※この記事は法律や著作権について専門的な仕事や勉強をしていない一市民が書くものなので、内容が間違っている可能性は十二分にあります。ネット上の情報は常に疑ってかかるメディアリテラシーが十分に備わっている方のみお読みください。

    
  
前回の記事で私なりの結婚式の音楽利用について述べました。
その肝は、面倒だから複製権は侵害しない、です。
複製権の許諾をきちんととることは、個人では、手段が確立されていないからです(主に著作隣接権とISUMの運用において)。
  
最近のまとめスレで「なんでウンロード・配信音楽 は使っちゃいけないのか」という声がありましたが、その理由はこの複製権にあります。
  

専門家の見解が以下のページで紹介されていました。

配信音源の場合、購入した音源をダウンロードする行為については、2つの考え方があり得ます。(1)ライセンスに基づく複製であって、私的複製に該当しないという考えと、(2)ライセンスに基づく複製であっても、私的複製に該当するという考え方です。この問題に関しては、定説がないように思います。
...(中略)...
「私的複製ではない」という考え方であれば、購入したCDの音源を結婚式場で流すのと同じように、問題はないはずです。ただ、結婚式場側は、私的複製が介在しないかどうかや、適法にダウンロードされたものかどうかを確認するのが難しいといえます。そのため、余興の際に、公衆の面前で配信音源を流すことは控えざるを得ないと思います。


  
この見解は半分同意で、最後はちょっと違うかな、と思います。そんなことを言い出せば、公正な利用が難しいから音楽はすべて使用禁止、なんてことも結婚式場は言えちゃいますし。*1
以下は、私なりの考えです。
  
まず、購入した音源をダウンロードする行為については、それぞれの購入先との契約事項に依るので、仮にこれが「私的複製に該当しない」ケースとします*2
  
ダウンロードした時点では、複製権は侵害しておらず、私的複製にもあたりません。とすると、その時点での音源を披露宴で流すのは問題がないわけです。問題は、どうやって披露宴でその音楽を流すかということです。
    
普通、ダウンロード音楽を再生する場合は、音源をメディアに焼くか、iPodなどの再生装置のハードディスクにコピーしなければならないのではないでしょうか?
これらの行為は、すべて"複製"にあたります。
私たちが普段無意識に行っている行為は、すべて「私的複製」(著作権法49条1項1号)による権利制限があったために、許されていたわけです。
  
最初の記事で述べたように、結婚式での利用に「私的複製」は認められません。
加えて、ダウンロード・配信された音楽を、複製せずに利用することはほぼ不可能です。
以上のことから、「ダウンロード音源は結婚式では使えない」と解されてしまいます。
逆に言えば、私的複製を介せずに音源を再生できる、あるいは複製権の許諾を得ることができれば、ダウンロード音楽であっても結婚式で利用することは可能といえます*3
  
  
ちゃんとお金を払ったダウンロード音楽は結婚式に使えないのに、中古で買ったCDなら使っても問題ない。
そんなのおかしいと思うのが普通ですし、理不尽ですよね。でも、現状の著作権法の仕組みであり、そう解釈するしかありません。
ダウンロード音楽のユーザーがこの問題を認識して、おかしいという声があがれば、文化庁著作権法の関係者も動いて、法改正に向けて動くでしょう。最も簡単なのは、ライセンス条項に権利制限を記載することですが…。
  

裁判を起こすほどの労力をかけられない私たちには、知って、理解し、知らない人に教えるということが最善ですし、「教育のみが民主主義を守る」「教育のない民主主義は無意味である」というジェファーソンの言葉は、本当にそうだなと思います。そうしてブログを書いたりしていたのですが、あまり賢くない人間なので、間違っていたり、不適切なことがあるかもしれませんので、そう思って読んでいただければと思います。
   
  

*1:ちなみに、「CDを再生することは、著作権を侵害しない 」のではなく、著作権のうち演奏権を侵害するけど演奏権は許諾取ってるから大丈夫だよ、ということです。細かいことですが、このややこしい言い方が著作権の混乱を招く一因な気がします。

*2:著作権法よりも1対1の契約の決まりが優先されるので、著作権法で問題がなくとも、音楽の販売事業者が禁止していれば何もできません

*3:現状、ほぼほぼ不可能ですが